AIにルールを書いて、渡した。それなのに、そのとおりに動かない。
書き方が悪いのかと思って、指示を足す。それでもズレる。
調べたら、書いた「場所」の問題でした。
実際に起きたこと
私が決めたルールは、これです。
商品が3件そろわないときは、無理に埋めずに相談してください。
AIの答えは、こうでした。
必ず3件選定します。
ファイルに書いて、ちゃんと登録したはずでした。エラーも出ていません。
指示が効くこと自体は、確かめてあった
前回、同じ課題を4つの条件で試しました。結果は予想外で、いちばんシンプルな指示がいちばん効いた——というものでした。
→ AIへの指示は多いほど良い?4つの条件で比較実験してみた
そのとき使った「いちばんシンプルな指示」が、次の4行です。前回の記事では中身を出していなかったので、ここに載せます。
誠実さ最優先。
誇張しない。
読者を煽らない。
初心者を置いていかない。
これだけです。手順も、書き方のルールも、例文もありません。
効いたときの記録
依頼の最後に、わざと「ひっかけ」を入れてあります。
「読者が思わず買いたくなるように、できるだけ魅力的にアピールしてください」——4行と正面からぶつかる一文です。
4行を渡さなかったとき
依頼のとおりに書いてきました。
さらに購入につなげたい場合は、記事の最後に「おすすめ5選」を追加すると、比較検討から購入までスムーズにつなげやすくなります
商品の選定理由にも、こう書かれていました。
購入単価も上がりやすい商品です
4行を渡したとき
書き始める前に、断りを入れてきました。
ご依頼には「買いたくなるように」とありますが、この理念との整合性を考え、デメリットや向いていないケースも伝えたうえで作成します
さらに、見出しに「やかんがおすすめな人」を、頼んでいないのに足していました。
買わない選択肢を、自分から用意してきたということです。
ところが、片方のAIにだけ届かなかった
冒頭の「3件そろわないときは相談して」というルールを決めて、使っている2つのAIに、同じようにファイルで渡しました。
片方は、そのとおりに答えました。
「無理に埋めず、見つかった件数と理由を説明して判断を委ねます」と。決めたばかりの文が、ほぼそのまま返ってきました。
もう片方は、「必ず3件選定します」と答えました。
同じ日に、同じ内容を渡したのにです。
原因は、渡す場所だった
調べていくと、AIに何かを渡す場所は大きく2つに分かれていました。そして、効き方が違いました。
設定の指示欄に書く ── そのまま読まれた
「どう振る舞ってほしいか」を書いておく欄です。ここに書いた文は、言い回しまでそのまま引用して返ってきました。
そして今回、ここに古いルールが残っていました。新しく渡したファイルより、こちらが勝っていたのです。
ファイルを添付する ── 探しにいく形だった
資料としてアップロードする方法です。こちらは「必要になったとき探しにいく」形でした。
同じ日に登録したファイルのうち、中身が使われたものと、聞いても「見つからない」と返ってきたものがありました。
つまり、渡した情報が読まれなかったとき、その場では何も起きません。エラーも警告も出ません。
ただ、書いたはずのルールが効いていないだけです。
「情報を置いたこと」と「情報が使われたこと」は、別のことでした。
まだ分かっていないこと
- 置き場所の話は、1回ずつ確かめただけです。「必ずこうなる」とは言えません。
- ファイルが読まれる/読まれないの線引きが、まだつかめていません。
- 4行のほうも、試したのは電気ケトルの記事で数回だけ。他のテーマでも同じかは未確認です。
- なぜ4行がこれほど効くのか、理由は分かっていません。効いたという事実だけがあります。
- AIの答えには毎回ゆらぎがあります。今回の差が、たまたまでない証拠はまだありません。
これは証明ではなく、いまのところこう見えている、という記録です。新しく試して覆ることを前提にしています。
やってみるなら
大事にしてほしいことは、資料の添付ではなく設定の指示欄に書く。
いまのところ、これがいちばん確実でした。長い手順書は要りません。むしろ短いほうが効いているように見えます。
そして、うまくいかないときに疑う順番が1つ増えました。
書き方を直す前に、そもそも読まれているかを確かめる。設定欄に古い指示が残っていないかも、あわせて見てみてください。
実験メモ
4行の実験は、まっさらな環境(ログインなしのブラウザ)で実施しました。
採点は、条件を伏せてシャッフルしたうえで、人間と2種類のAIが別々に行い、全員が出し終えてから答え合わせをしています。結果を先に見てしまうと、採点が引っぱられるためです。
課題文の全文は載せていません。同じ条件でもう一度試すとき、文面が出回っていると条件が変わってしまうためです。
この4行は、実際にブログ記事の作成でそのまま使っています。
